@techreport{oai:air.repo.nii.ac.jp:00000801, author = {新山, 喜嗣 and Niiyama, Yoshitsugu}, month = {Mar}, note = {今回、精神分裂病患者に対して経頭蓋的磁気刺激を大脳半球に与え、反対側の大脳半球より交連線維を伝わったパルス(脳梁反応)を記録することにより、精神分裂病における左右大脳半球間の連絡異常の有無に関して検討した。 磁気刺激法は現在まで中枢神経系や末梢神経系を刺激して、その結果として発生する誘発筋電図を記録する目的で開発されてきたものである。この磁気刺激法を頭蓋に用いてその近傍より脳波上での反応を記録しようとした場合、磁気刺激と同時に出現するアーチファクトが発生して脳波記録が困難となりやすいため、その解決方法を検討しておく必要がある。また、脳梁反応を安定して記録するためには、刺激側の大脳半球のうちの何れの部位を何れのベクトル方向に渦電流が発生するように刺激するのが適当であるのかについても検討の必要がある。したがって、これらの点についての知見をあらかじめ得ておくことが必要であり、このための検討を本研究の第1部と第2部として行った。そこで得られた知見を基礎において、第3部にて本研究の最終的な目的である健常者と精神分裂病患者の問での脳梁反応の差異を検討した。  今回の一連の経頭蓋的磁気刺激法を用いた研究の第1部と第2部の研究で、脳梁反応をより安定して記録するための方法に関する知見が蓄積できた。また、一連の研究の最終的目的である第3部の研究では、精神分裂病患者における左右大脳半球間の情報伝達の異常の存在が示唆された。すなわち、精神分裂病患者では健康者に存在する左半球から右半球への情報伝達の速度に関した優位性が必ずしも保持されていないことが示唆された。このことが、精神分裂病に特有な精神症状の生起に関係している可能性があると思われた。  ただし、第3部の研究において精神分裂病群の被験者数は、当初の計画よりも大幅に少ない人数となった。これは、本研究機関の倫理委員会の承認を得る過程において、患者の実験参加への同意能力を充分に吟味することの重要性が確認され、その結果、実験への参加が適当である患者を厳選したことによるものである。今後、今回の研究結果をふまえて、対象となる患者数を増やして検討を進めてゆくことが必要と考える。また、第2部の 研究である脳梁反応を得るための刺激の至適部位と至適方向に関する検索も、限られた部位と方向のみの検討に終わっている。したがって、この点に関してもより詳細な検索が今後の課題であると考えられる。}, title = {精神分裂病における左右大脳半球間の連絡異常についての電気生理学的研究}, year = {2000} }